基本的に「いじめ」は危機管理の対象であり、子どもたちの命を守るという視点から、私たちが日常的に点検を実施、日常的に安心・安全の確保を配慮しなければならない。
1 基本理念(いじめ防止対策推進法第3条)
- いじめの防止等のための対策は、いじめが全ての児童等に関係する問題であることに鑑み、児童等が安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、学校の内外を問わずいじめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならない。
- いじめの防止等のための対策は、全ての児童等がいじめを行わず、及び他の児童等に対して行われるいじめを認識しながらこれを放置することがないようにするため、いじめが児童等の心身に及ぼす影響その他のいじめの問題に関する児童等の理解を深めることを旨として行われなければならない。
- いじめの防止等のための対策は、いじめを受けた児童等の生命及び心身を保護することが特に重要であることを認識しつつ、国、地方公共団体、学校、地域住民、家庭その他の関係者の連携の下、いじめの問題を克服することを目指して行われなければならない。
2 学校及び学校の教職員の責務(いじめ防止対策推進法第8条)
学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校全体でいじめの防止及び早期発見に取り組むとともに、当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する。
いじめの積極的認知と早期対応
3 いじめの防止
- 未然防止の考え方
いじめの未然防止については、いじめを生み出す環境をつくらないということに尽きる。そのために、すべての児童がいじめに巻き込まれる可能性があるという前提で、未然防止の働きかけをする必要がある。 - 学校・教職員が取り組むこと
- 互いを認め合う人間関係・学級風土を児童が作り出す学級経営の具体化
- 児童一人一人が達成感や成就感を得られる授業づくり
- 生徒指導の機能を生かした授業づくり=自己理解・他者理解・自己実現の具現化
- 児童一人一人のよさを認め励まし自己肯定感を陶冶する、形成的評価の励行
- 集団遊び等を通した人間関係づくりの支援
- 児童一人一人の成長に対する組織的な見取り
- いじめの未然防止に向けた研修の実施
- 児童に具現すること
- 集団遊びや行事等を通した、社会性の陶冶と伸長
- 伝え合う力の獲得と伸長
- 学級を中心とした人間関係づくり=班・係活動や当番活動を通した助け合いの経験
- 道徳の授業を通した、思いやりの心や規範意識等の陶冶
- いじめ根絶宣言などの意識の高揚
4 早期発見
- 早期発見の考え方
早期発見についても特別の方法があるわけではない。丁寧な児童観察や児童理解を通し事実から見えるものを積み重ねるしかない。- 日常観察により、児童の些細な変化に気づくこと
- 気づいた情報を組織的に、確実に分析・共有すること
- 情報に基づき、速やかに具体的対応を行うこと
- 早期発見の手立て
- 日常観察と報告・連絡・相談の徹底
- 定期的なアンケートの実施と結果の共有(各学期に実施)
- 児童理解交流等の定期開催を通した情報の交流と共有
- 児童や保護者が相談しやすいシステムづくり=教育相談窓口
- ネットパトロールの定期的な実施による、ネット上のいじめへの対応
5 いじめに対する措置
- 対応の手順
いじめについての対応は、校内体制の中で「いじめ対応チーム」が、組織的に対応の具現化を図っていく。- いじめとして対応するべき事案か否かの判断
- いじめと判断されたら
- 事情聴取
- 対応策の検討
- 教職員の意思形成
- 被害児童への面談
- 加害児童等への指導
- 被害・加害児童の保護者への説明と協力依頼
- 上記と並行して、教育委員会への報告と相談
- 事案に応じて、保護者説明会の実施=学校の方針の明確化
- 保護者との連携
- 被害児童及び保護者に対して、調査結果等事実関係その他必要事項を適切に提供する
- 保護者との対応においては、プライバシーの保護に配慮する。
- 保護者同士の訴訟等には介入を避ける。
- 当該保護者との窓口は教頭とする。
- 外部機関との連携
- 必要に応じて、警察・児童相談所等の関係機関との連携を図り、情報の収集や交流を通して、いじめ事案の未然防止や解決に資する
- 関係機関との窓口は教頭とする
6 いじめ対策の組織
校内組織
- 鹿追小学校いじめ対策委員会
- 構成員:校長、教頭、生徒指導部長、養護教諭、PTA会長、学校運営協議会委員
- 業務内容
- 校内のいじめ対策の総括
- 取組評価アンケートの実施・分析
- いじめ対応チーム召集
- 保護者等との連携:必要に応じて、PTA、学校運営協議会委員とも連携する
- いじめ対応チーム
- 構成員:教頭、生徒指導部、当該学年主任、学級担任、養護教諭
- 業務内容
- いじめとして対応するべき事案か否かの判断
- いじめと判断されたら事情聴取
- 対応策の検討
- 教職員の意思形成
- 被害児童への面談
- 加害児童等への指導
- 被害・加害児童の保護者への説明と協力依頼
- 教育委員会への報告と相談
- 事案に応じて、保護者説明会の実施=学校の方針の明確
7 研修の充実
- 児童理解交流の充実
- 危機管理演習の充実
8 教育活動との関連
- 道徳教育の充実
- 指導計画・授業づくり研修
- 道徳教育推進教師の活用
9 検証と評価
- アンケートの実施
- 校内組織と学校運営協議会との連携