探究教育。本格的に始まります。

探求、ではなくて「探究」です。探して、究めます。「覚える」学びから、「自分で考え、解決する」スタイルの学びに力を入れます。

鹿追町は、日本だけで考えるのではなく、世界に通用する教養、ものの考え方、伝える能力を育成する教育を目指します。田舎だからできない、ではありません。10年前ならハンディキャップだった環境は、技術の進歩により今や利点となったともいえるでしょう。

これまでの日本の学校教育では、教科を中心にした「記憶型」の教育が主流でした。変化のスピードがとてつもなく速くなった最近の世界では、このような教育はすぐに時代遅れになりつつあります。膨大なデータから瞬時に答えを出してくるAIに、人間の記憶など到底かなわないことはすでに明らかになって来ました。

では人間が生きていくために必要な力は何なのか。それは物事の本質を見極め、自ら考え、課題があればその解決方法を探すことです。

1868年、江戸幕府が倒れ、明治維新がありました。この事実だけを覚えるのは探究教育ではありません。なぜ新しい政府が生まれたのか、当時の世界の情勢はどうだったのか、その後の日清、日露戦争、二度の大戦にどうつながったのか。その歴史の中に、現代の世界の紛争の根源もあるのではないか、それが分かればこの不安定な世界の問題を理解し、解決する答えがあるかもしれない、と考えるのが探究なのです。

このような課題解決の訓練は日々の小さな学びの中にたくさんあるのです。そして、このような学びのスタイルが世界の標準なのです。文部科学省は探究教育の推進に本腰を入れています。「明治以来の教育改革」とも言われるこの動きに、鹿追町では本格的に取り組んでいきます。

垣根をこえ、未来へ! 鹿追町の一貫教育

鹿追町では、幼児教育と学校教育の連携や、小学校・中学校・高等学校の連携による12年間を見通した一貫教育により、興味・好奇心を学習エンジンとする主体的な学習者の育成をめざして、教育方針である「4つの柱」と基礎学力育成を重点化しています。

また、個人用タブレットPCやICTを活用したプログラミングなどの新しい教育、英語教育と異文化理解を深める国際交流・海外研修の推進など、これからの時代を生きる子どもたちに必要なツールを身に付けるための教育を実践してきました。すべての児童・生徒に世界と接する機会を提供し、世界と関わることを日常に感じられる学校生活を実現することで、グローバル人材を育てていくことが私たちのミッションです。

本町の一貫教育は平成15年度から平成29年度まで文部科学省の研究開発学校の指定を受け、15年間にわたり英語教育と環境教育を主軸とした一貫教育を推進してきました。

平成30年度以降もその成果を生かし、町独特の特色ある一貫教育に取り組んでいます。

特色ある英語教育として、姉妹都市のあるカナダをメインとする異文化理解と体験を盛り込んだ授業「地球コミュニケーション」のカリキュラムを5才児及び小学校1・2年生から実施し、幼小中高13年間で『使える英語』と『国際的なコミュニケーション能力』を身に付けます。また、高校1年生の全員がカナダでのショートホームステイを体験する事業も行っています。実際の授業では、学級担任に加え、JTE(日本人英語教師)及びALT(外国語指導助手)によるきめ細やかな指導を行っています。

本町独特の特色ある一貫教育の2つ目に環境教育があり、「ジオパークのまち」ならではの“Think globally,act locally(地球規模で考え地元で行動する)”をキーワードに、身近な自然から世界の環境問題まで体験を交えて学ぶ授業「新地球学」を総合的な学習の時間のカリキュラムに導入しています。子どもたちに持続可能な社会と地球環境について積極的に考え、行動できる「考動力」を身に付けさせます。

これらの独特の特色ある一貫教育が子どもたちの確かな力となるよう努力を重ねていく所存でおります。小学校からの12年間を受験で分断されることなく、もっと成長したいという意欲をどこまでも伸ばしていける学校をめざしています。

鹿追町一貫教育コミュニティ・スクール

鹿追町には小中7校ありますが、全ての学校が「鹿追町一貫教育コミュニティ・スクール」になります。各学校に学校運営協議会を置かず、町で一つの「鹿追町一貫教育コミュニティ・スクール」運営協議会を設置する、統合運営型のコミュニティ・スクールです。

幼児教育から高校教育までの一貫教育を推進するため、「鹿追町一貫教育コミュニティ・スクール」は認定こども園しかおいや鹿追高校のコミュニティ・スクールと連携を図りながら、鹿追町一貫教育を推進しています。

鹿追町は小さな町ですが、こども園と高校を加えると9つもの学校があります。各学校では地域に根差した町づくりを、そして「鹿追町一貫教育コミュニティ・スクール」運営協議会では町全体を俯瞰する町づくりが可能です。

子供たちが大きくなった時に「住みやすい」と感じられるような町づくりは大人の責務です。鹿追町の課題や将来を考えた教育について、コミュニティ・スクール制度を通して地域の皆さんの声を大切にした教育を推進します。

英語教育

町の幼小中高一貫教育では英語教育に力を注いでいます。こども園の年長組から英語教育が始まり小学校、中学校、そして高校へと繋がっていきます。「使える英語」を目指して行われる授業には、日本人教員にカナダのエドモントンから派遣されている外国語指導助2名(1名は臨時教員免許を取得)が加わって英語教育を行っています。

小学校ではグループに分かれて、将来なりたいものを全員が英語で発表する機会を設定し、難しい職業も英語で発表するなどの英語力を身につけています。中学校ではオンラインでオーストラリアの学生と会話を楽しんだり、鹿追高校では、カナダの姉妹町へ全員がホームステイによる2週間の短期留学を行って体験による実践的な英語学習に加えて、異文化理解も合わせて学んでいます。

また、町では英語検定の費用助成も行って英語学習の成果を試す機会も推奨しています。幼少期から13年間続けて学ぶ「使える英語力」と「国際的なコミュニケーション能力」を身につけることで、多様化する社会を生きる力を育んでいます。

環境教育

鹿追町は「とかち鹿追ジオパーク」の認定を受けており、学校の授業の中で横断的に取り組みながら、地球環境について学んでいます。2017年度に終了した小中高一貫で行う「新地球学」後の教育プログラムとして、2019年には小中学校の「総合的な学習の時間」の中で実施することを想定した環境教育プログラムのリストをとかち鹿追ジオパークで作成しています。

この環境教育プログラムでは、「地域の自然・環境と防災」「地域の文化」「エネルギー」の3つのテーマのもと63の学習プログラムがリストアップされています。岩塊斜面や風穴等を取り上げる地質遺産に特化したプログラムや鹿追町で起こった災害等を取り上げるジオハザードと減災に特化したプログラム。さらには循環型エネルギー等を取り上げる気候変動対策に特化したプログラムなども含まれています。

教えてくれるのはジオパークのスタッフの他、プログラムによって各学校の教員や、大雪山国立公園をフィールドに活躍するネイチャーガイドの然別湖ネイチャーセンター、そして役場各課のスタッフも協力します。また、防災関係プログラムについては、ボランティアで防災教育活動をおこなっている地域住民が担当する場合もあり、実施場所はプログラムによって様々で、地質サイトを訪ねることもあります。体験活動として小学校ではヤンベツ川での自然体験学習や凍結深度の出前授業など、中学校では然別湖でのイグルーづくり体験、農芸公園での植樹体験などを実施して、楽しみながら地球環境について学んでいます。

1人1台のiPad

鹿追町の学校では小学生から鹿追高校生まで全ての児童及び生徒、教職員にiPadが支給されています。GIGAスクールと呼ばれる構想では「子供たち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育」に向けてICTを使った教育が展開中です。iPadというツールと児童や生徒の創造性によって、一人ひとりが新しく好奇心を持って主体的に学びを楽しめるような教育活動を目指しています。

道立高校の鹿追高校でも、鹿追町が生徒一人につき一台のiPadを貸与して新たな学習活動を行っています。英語学習のほか課題解決のためのグループワーク、部活動や臨時休業時のオンライン授業にも万全の体制を整えています。

特別支援教育

障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握しその持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行っています。 平成19年4月からは「特別支援教育」が学校教育法に位置付けられ、すべての学校において障害のある幼児児童生徒の支援をさらに充実していくこととなりました。

障害のある児童生徒の就学先については障害の状態や教育上必要な支援の内容、地域における教育体制の整備の状況や本人・保護者の意見、教育学・医学・心理学等の専門家の意見等を踏まえた総合的な観点から教育委員会が決定する仕組みとなっています。 鹿追町では、特別支援学級の在籍を新たに希望する場合、就学ガイダンスと就学相談を受けていただいています。特別支援教育について詳しくはこちらをご覧ください。

自然体験留学制度

心豊かにたくましく生きる子どもを育てるために、自然に恵まれ、豊かな人間関係が保たれている鹿追町の農山村との交流による様々な自然・勤労体験活動を通じて、子どもに知識のみならず、自然の美しさや厳しさに触れ、感動を覚えるとともに、思いやり・自主性・協調性・忍耐力等の豊かな心を育てる、直接体験を重視した留学制度です。

鹿追町では1987年より、留学制度を導入し、全国から多くの留学生を受け入れています。これまでの実績を生かし、有意義な山村の暮らしと学校生活をサポートします。

ひなたぼっこ(鹿追町教育支援センター)

様々な理由で学校へ行っていない鹿追町内の児童生徒で、本人が希望し、保護者、校長から要請があるお子さんに通っていただく教育支援センターです。令和3年12月に開設しました。支援センターは緑豊かな落ち着いた場所に位置し、専任職員が在中しています。私たちは次のように子どもたちを見守っていきたいと考えています。

「ひなたぼっこ」の願い

  • 子どもが安心して過ごせる居場所に
  • 不安や悩みを抱えていたら、少しでも解消できるように
  • 生活リズムを整えて、元気に楽しく過ごせるように
  • 勉強や活動を通して、学び合いができるように
  • 保護者に寄り添い、保護者と連携してよりよい支援につながるように

相談・お問合せ
鹿追町教育委員会学校教育課(0156)66-2646

Penguin Colony(オンライン公設塾)

オンラインで学ぶ公設塾がオープン

鹿追高校では大学への進学にも力を注ぎ、特別進学コースの開設などにより国公立大学や難関大学への進学実績も残しています。

これらの教育活動を支えるために、オンラインでの学習塾を開講しています。平日部活動が終了した時間からの2~3時間に対面式ではなく、完全オンラインで学習サポートを受けることができます

公設塾では生徒の夢をサポートします

  • 生徒のキャリア形成を応援します。
  • 国公立大学や難関大学への進学に挑戦します。
  • 海外留学やワーホリも視野に入れた進路をサポートします。

オンラインだからいつでも、どこでも

公設塾のベースとなる学習は、リクルート社のスタディサプリとSRJ社の英語速読聴アプリ。鹿追高校生全員に配布されるiPadを使用していつでも学ぶことができます。自らの学習だけで、わからないところは、若くて実行力のある魅力的な講師陣によるオンラインライブで「解説学習」を受講します。

ティーチング&コーチング

公設塾は解説指導(ティーチング)だけではなく、学習の仕方や目標設定、自分の学力の現在地や合格までのロードマップを相談(コーチング)することもできます。進路実現までには様々な悩みがつきまといます。同じ悩みや不安を抱えながらも、自らの力で夢を実現させてきた講師陣からアドバイスを受ける機会はとても力強い応援となるでしょう。

月謝は無料です。

オンライン公設塾では、入会料、月謝ともに無料となっています。

学習専用スペース

オンラインで学ぶ生徒のために、自宅以外でも集中して学習できる環境も整えられています。専用学習スペースは町民ホール内に開設。公設塾の生徒は毎日、9時から21時30分までの時間帯であれば、いつでも好きな時間に使用することができます。Wi-Fiや充電設備も完備しているので、長時間でも集中して学習することが可能です。

中学校3年生からの入塾が可能となりました。

鹿追高校生への教育支援として開設された「鹿追高校オンライン公設塾」に、一貫教育として中学校から高校へのスムーズな接続を目指して令和4年度から町内の中学校3年生から入塾が可能となりました。自分のペースで学ぶことのできるオンライン公設塾で、ぜひ早い時期から学習活動に取り組んでみて下さい。

ファーストペンギン

「ファーストペンギン」とは、集団で行動するペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない海へ、魚を求めて最初に飛びこむ1羽のペンギンのこと。転じて、その“勇敢なペンギン”のように、リスクを恐れず初めてのことに挑戦するベンチャー精神の持ち主を、米国では敬意を込めて「ファーストペンギン」と呼びます。そんなチャレンジ精神豊富な生徒になって欲しいと願いを込めて、ファーストペンギンが集まる場所として公設塾及び学習スペースに「ペンギンコロニー」と名付けています。

鹿追すくすく運動

子どもの生活習慣の向上を図る「鹿追すくすく運動」を提唱しています。

学力向上には学ぶための土台である生活習慣の向上が必要不可欠であるという認識に立ち、発達段階に応じた生活習慣を身に付けることが子どもの学習の効果を高めるとともに、将来に向けた確かな心の育成につながると考えています。